認知症に対する世の中の考え方をいかに変えるか

SOMPOホールディングスが2018年からスタートした『SOMPO認知症サポートプログラム』。その取り組みを世の中に届けるための企業広告を作りたいというオリエンに対し、単にインフォメーション手法の提案ではなく、「この広告は認知症に対する世の中の考えそのものを変えるきっかけでもある」というチャレンジングな提案を行なったSOMPOプロジェクトチーム。今回は、そのクリエイティブ領域を担ったメンバーに話を聞いた。

職務領域を超えて、
全員が戦略から企画制作までを担う

SOMPOホールディングスの案件において、ここにいる室屋くんと私はプランナーとしてチームに入っていました。ですが、いわゆるプランニング領域のみを担当したわけではなく、他のチームメンバーも含め、全員がクリエイティブの企画からそのコアとなる戦略までを議論し続け、実際の提案や制作までをブラッシュアップしていった経緯があります。

もちろん、チームメンバーそれぞれに専門領域はあり、その分野で最も力を出せるという前提はあります。ある職能において「深さ」を獲得していないと、自分の守備範囲は広がりません。しかし同時に、自身の職務領域以外においても、「こうしたほうがいい」という意見交換を活発にできることは、本案件に限らない、東急エージェンシーならではの社風とも言えるかもしれません。

そもそも、世の中は認知症のことをよく知らないのではないか

本件はそもそも、SOMPOホールディングスの「SOMPO認知症サポートプログラム」の企業広告を作りたいという意向からスタートしたものでした。チームメンバー全員が、「そもそも認知症とは」という段階から考察をした結果、自分たちは、想像していた以上に認知症の仕組みそのものを知らなかったことがわかったのです。

我々が知らなかったように、そもそも世の中は認知症のことをよく知らないのではないかという発見。その事実を世の中に広めるだけでも、「認知症に対する考え方は変わるんじゃないか」「世の中に溢れる認知症に対する偏見を減らせるのではないか」と議論したことが、今回の提案における大きなコンセプトになりました。

これ以上ないリアリティを世の中へ

認知症への偏見をなくすきっかけにしたいという意図のもとで、60秒尺のCMという中では、やはりファクトを見せるのが一番効果的なのではないかという結論に行きつきました。そこで取り上げたのが、YouTube上で話題になっていたイギリスの親子の動画。そのままの映像を使うことで、これ以上ないリアリティや説得力にもつながったと思っています。

認知症になっても、映像に映る父親のように回復し、夢を叶えている人がいるというファクト。そしてそれを車という閉鎖空間で息子が自撮りしているというリアリティ。ドラマタイズされていないその映像自体が大きく胸を打つものだったからこそ、実はプレゼンの段階で、この方向性の提案コンテを作る必要はありませんでした。

世の中や人の心に興味を持てる人であれば、活躍のチャンスはある

広告会社は、課題の発見から、それをいかに解決するかまでを提案します。言い換えれば、それだけ幅広い領域に携われるのが広告会社の仕事の魅力とも言えるでしょう。そういう意味では、「戦略家でもあり、プレイヤーでもある人」とぜひTAGを組みたいと思っています。そんな新たな仲間との出会いを楽しみにしています。

月並みではありますが、「人の心を動かすことにワクワクできる人」とTAGを組めたら嬉しいです。逆に、そこにワクワクできない人には、広告の仕事はあまり向いていないかもしれません。自身が学生時代にどんなことにワクワクできたか、どんな時に嬉しかったのかなどを、ぜひ冷静に考えてみてから会社選びや仕事選びをしてみてください。